1110人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
「なんか恥ずかしいよ?大丈夫?」
美鈴はあまりに短いスカートが恥ずかしい。
「周りはもっと派手なのがいるから大丈夫やで。」
キャサリンが言う言葉にまあ大丈夫やと二人は目が爛々としている。
衣装のまま明は目当てのBL本の売り場に行くというからついて行く
「なんか視線が痛いけど・・着替えた方が。」
自分達が動くたびに後ろからついてくる人が明らかに増えてきてるよう
な・・
買い込んだ本を整理する為に広場に出た時に聞こえてきたのは
「ね~綺麗な足だよね!」
「完成度高くない?」
「マジで写真撮らせてもらわない?」
集まってきた人たちが好意的ではあるが人数が増してきたように
思う美鈴。
「これ大丈夫なのかな?」
「大丈夫やけど・・。」
そんな会話をしている所に
「写真いいですか~?」
「私も~。」
というギャラリーが出てきた。
「昔からそのアニメキャラコスプレする人いるけど、ここまで
完成度高いのは初めてで写真お願いします。」
三人一組のアニメで女の子が変身して悪と戦うのだったか?
いいで~とキャサリンが答えようとした時。
「写真はご遠慮ねがいます。」
そう言ってそのアニメのナイトの衣装で二人がやってきた!!
キャー!!
という黄色い声を無視して顔はアニメでもマスクをしているキャラだから
解らないが・・
「王!なんでわかったん?」
「鷹崎さん?」
王と鷹崎は自分達も顔が解らないようにコスプレをして撮影を阻止し
に来たらしい。
「明・・買い物は出来たようですが・・この恰好は駄目です!帰りますよ。」
そういう王に
「前の本を捨てたでしょ!帰らんもんね~。」
「私を構ってくれないからでしょ?構ってくれたら捨てませんから帰りましょう?」
明の秘蔵のBL本を帰宅した時に構ってくれなかったからと拗ねて部下に捨てさせた王は明を怒らせて放置家出されていた。
「ほんまやな!次はないで!!」
そう言いながら仕方ないから帰ると王と明は帰ったが・・
「美鈴さん・・とっても似合っていますがこの場所では目立ちすぎますから。」
自分の衣装についていたマントをフワッと美鈴を隠すようにかける。
「キャサリンにもお迎えきてますよ。」
普段着の海叶がヤレヤレという顔をしてやってきた。
「美鈴さんは帰りましょうね。着替えも用意していますから。」
鷹崎は可愛い普段着に美鈴に着替えるように言って二人はその場を
さる。
「ハイ。キャサリンごめんねまた~。」
仕方ないな~という顔をしながらその場で強制的に解散。
「なぁ、なんであの二人は過保護なんや?」
「王はまあ放置されてイライラやったし、鷹崎は大好き美鈴ちゃんがこんなとこで生足晒してるの見てられるわけないし。」
ほなあんたは平気なんか?と逆にキャサリンに言われてしまった海叶は
「人生短いんだから楽しんだらいいと俺は思ってるから。」
そういいながら笑う。
趣味にはお互い口は出さない。
やりすぎない限り・・・
「もう少し回りたいわ。」
「一緒に行くよ。」
キャサリンは嬉しそうに笑い、海叶も優しい笑顔で手を差しだす。
二人は飽きることなく会場を回った。
その後鷹崎は海叶に電話した。
「海叶、この間の美鈴のコスプレ写真はありますか?」
記者を目指していた彼はきっちり三人を写真に収めていた。
「あるよ~いるの?」
「当たり前です、たぶん王もいるかもしれませんね。」
こうして鷹崎の美鈴コレクションにレアなコスプレ写真が・・
「キャサリンにはお礼を言っておいてくださいね。」
「ああ、たぶん頼み事か服をせびられるぞ・・。」
「ええ結構ですよ。いくらでも買いますから。」
こうして、キャサリンは高~い冬物のコートを鷹崎に買わせた
らしい。
そんな話は美鈴はずーっと知る由もなくそれからはコスプレは断ることに。
「鷹崎さんが嫌がるといけないから・・。」
いいえ嫌がってませんよ!独占するなら歓迎だと思いますよ。
そう思うのは美鈴以外全員だった。
最初のコメントを投稿しよう!