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「佐伯さんコーヒー持ってきてくれるかな?」
応接セットに三人は座り加奈子に社長は指示をだした。
加奈子は給湯室にコーヒーを入れに行こうとしたとき、町田が待ち構えていて
「貴女も姉もなんなのよ!少し可愛いからって鷹崎専務に取り入って、どういうつもりなのよ。」
怒鳴る町田は般若のような顔をして捲し立ててきた。
加奈子はしつこいだけで馬鹿な女だと町田を見つめ返した
「町田さん貴女本当に馬鹿?あの男は取り入れるような人間ではないって解らない?この会社を海外にいながらここまでした男が女に動かされるとでも?」
加奈子は姉に対する想いを語った鷹崎と今日の彼は別人のように感じていた。
「どういうことなの?」
「おそらく全ては鷹崎専務の意志で色々動いていて、貴女はイレギュラーで私や姉がどうこうでなく振るいにかけられただけだということ。」
姉は別かもだけど。
「なんなのわけがわからない。」
がっくりと力が抜けたように
「町田さん姉を馬鹿にしたでしょ?私はそこは許しませんから。」
にっこりと笑って彼女の胸倉を一瞬だけつかんで離した。
「貴女のお友達から聞いていない?私は気が強くて見かけと違うって!」
一瞬の殺気は彼女を怯えさせるには十分だった。
「姉に何かしたら私が黙ってないわよ。」
彼女は逃げるようにその場を去った。
加奈子はコーヒーを入れて専務室に戻ることにした。
専務が戻って一か月もたっていないのに、凄いスピードで何かを片付けている感じがしてならない。
獲物を捕らえているのに生かしてジワジワ追い詰めるような感じがする。
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