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「私が君に会ったのは、責任をもって奴らには制裁を受けさせるということ事件を忘れろとは言わないが、縛られないようにと言いたかっただけです。」
この男がいう制裁がどのようなものかは加奈子には解らない。
「結城君もこの事件には思うところがあるようですが、深入りはしないことです。君や君のお父さんが責任を感じることもない。」
結城大輔はワンが本当に総裁ですべてを知っていると悟った。
魔王という異名があるワンは噂によると冷酷で残忍だと聞いていたが目の前にいる彼は穏やかな顔をしている。
「一つだけ覚えていてください。男は運命の人を見つけてしまったら、その人を手に入れる為に、守る為に地位も権力も手に入れる必要があるんです。鷹崎は親友の命を救う為に弁護士を辞めた。愛する人を手に入れて守る為に力を求めて闘ったやつです。男は墓場まで愛する人に言えない秘密くらいあって当然です。」
そうでしょう?というようにワンは大輔をみた。
鷹崎もワンも小さくはないものを背負っている。
「結城君は加奈子さんを僕は美鈴さんを守ります。何者にも彼女を傷つけさせないですよ。」
過去の出来事を終わらせて、これから起こるだろう出来事にもこの男なら姉を任せてもいいと加奈子は思った。
ワンは迎えにきた部下とどこかへ消えたが、三人は鷹崎の車で加奈子はマンションに送り届けてから、結城と鷹崎は鷹崎の知り合いがやっているバーに向かった。
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