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佐伯加奈子は可愛い容姿で男女共に人気が高い。
「佐伯加奈子は彼氏がいるから、それほど反発は無いはずだよ。」
加奈子の彼氏は、税理士をしている男で会社に時間のあるときに迎えにくるほどで、年上の彼はかなりのイケメン。
「結城大輔か?」
隼人は思い出した、あの事件の時に美鈴を妹と助け出そうとした男の名前。
加奈子の知り合いで五年前は大学生だったが。
「そうそう、かなり優秀な男だよ。」
隼人は二人を味方にするべきという相川の助言を受け入れることにした。
「佐伯加奈子で内示出してくれ。」
「解った。」
内示はすぐに発行された。
「何故、受付嬢が指名されるの?」
秘書課は騒然となった。
社長の相川はソフト開発が主で外にはほぼ出ない。
専務と専務のブレーンと言うべき役員が専務の指示で日本では動いていた。
専務は帰国後は日本国内の経営強化と海外取引を主とすると聞いていたから秘書は必要だった。
独身の専務の秘書の席は彼の特別になれる可能性が高かった。
「すぐに辞めるじゃない?」
可愛い容姿だけでやりこなせる仕事ではない。
紗耶香は次は自分だと自信を持っていた。
英語も堪能で容姿にも自信がある紗耶香は役員秘書だった。
鷹崎が帰国することで役員秘書から一人専務の専属秘書を決めるという話も役員から聞いていた。
「意外に鷹崎専務は肉食なんだ、可愛い若い子がいいのね。」
「あら、でも彼女は彼氏がいるわよ?」
「ご存知ないのよ。」
だからすぐに秘書は変わると話は終わった。
鷹崎専務を誤解していたと考えをあらためるのは少し先。
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