初めての合コン

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初めての合コン

 「佐伯さん今日の夜って少しだけ時間あります?」 井川は意を決して美鈴に言ってみた。特に何もないけど何故だと美鈴がきくから井川は断られるのを必死で美鈴にお願いしてみた。 「あのですね、営業に同僚がいてその先輩からコンパに来ないかと誘われたんですよ。それで佐伯さん一緒に行ってくれませんか?」 必死に言う井川が子犬のように思えた美鈴は井川が一緒なら大丈夫かと思って了承した。自分も変わらないといけないかもしれない、昨日の撮影で美鈴は少しだけ反省していたのだ。 五年は恋愛しないという誓いは加奈子が大学を卒業して就職したからもう達成されたわけで今は逆に年齢的にも適齢期で恋愛や結婚も考えないといけないかも知れない。 結婚はまだでも加奈子と大輔をみていて恋愛もいいかなと思うこともある。 「五年後に迎えにいく。」 そう言った人が誰なのかも記憶が朧気ではっきりしない。五年目の今まだまっているべきだろうけど、自分の殻に閉じこもっていたような自分自身を解放してもいいかもと思っていた。 昨日の男性モデルが耳元で囁いたときはやはり怖いと感じたが、井川や見知った人との会話などには問題なくなってはきている。 少しずつ外にでることで、迎えに行くと言ってくれた人を思い出すかもしれない思い出したい。そう考えた美鈴は 「井川君も一緒なら少しだけ行きます。」 勇気を出して言ってみた。 「了解です。社内の人間だけなので何もないでしょうし、ちゃんと送りますから大丈夫です。」
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