ヘタレ専務

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ヘタレ専務

 相川は衝撃の連絡を千秋からうけていた。 HANAの事務所で今後の打ち合わせや昨日の撮影の成果を鷹崎と一緒にみていのだが、鷹崎は美鈴の写真にご満悦で機嫌がよく、そこに母親が在籍していなかったのも上機嫌に拍車がかかっていた。 これいいですね~あれも。持ち帰り用の写真を選んでいるんじゃないと言いた いが黙って様子をみていた。 カメラマンのアランも美鈴の美貌のファンになったと鷹崎と意気投合しているからたちが悪い。 相川は同席する必要がなかったが、花と鷹崎が揉めるの面倒だから避けたかった。昔から知ってるからこその配慮だったが、花は別の打ち合わせだというこ とで社内にはいない、だったら自分はいらないのじゃないかとも思う。 そんななかスマホに送られてきたメッセージ。 『佐伯姉妹は合コンにでかけます。状況は加奈子ちゃんからあるはずです。』 加奈子が合コンや飲み会にいくのは珍しくない。今まで問題があったことは一度も聞いてはいない。 問題は美鈴が一緒だということだ。 美鈴はアルバイト時代や社員になってから、相川が同席しているような飲み会か必要最低限の付き合いしかしない子だった。 昨日発作で倒れての今日だ、会社を休んでもおかしくないのに出勤してきてその日に合コン。 「ありえないな」 相川の声でアランは振り返った。 『相川社長なにかあったのか?会社で問題があったのならここは大丈夫だから戻ってくれてもいいよ。』 アランはフランス語で話す為に相川は全てを理解できない。 「何かあったのか?ここはいいから戻るか?と聞いているが。」 何かあったのかと鷹崎も聞いてきたから、黙っていて後で責められるのも恐怖だと思った相川は事情を話した。
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