ヘタレ専務

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車に乗り込んでから鷹崎は加奈子にメッセージを送るがレスがないことから、大輔にもメッセージをいれた。 相川は千秋にメッセージを入れるとすぐに千秋から電話がかかってきた。 「今どこですか?加奈子ちゃんからレスかないし、状況が解らないんです。 店は解っていますし、メンバーも解ってます。問題ないとは思いますが・・何故二人とも連絡がつかなかったのです?」 千秋は怒っていた。帰社するといって一時間ほどたっているということメッセージ読めていなかった為に取引先で問題があったのだろうと思ったらしい。 「鷹崎専務が一緒ですからトラブルは解決したんですよね?」 「どうだろう?花さんがさモデルのソフィアを紹介してきたんだよ。それで鷹崎に気があるらしくて遅くなったんだ。」 「母親が女を紹介してきて?何してるんですかヘタレは!」 「横でメッセージ送ってるみたいだね~。」 「ヘタレ専務に言ってください。母親くらい黙らせなさいよって。」 「ハイ!言ってきます。」 電話を切りすぐにどうだと聞く鷹崎に 「千秋さんがさ~命名してくれたよ。「ヘタレ専務」って!母親くらい黙らせろって。」 千秋くらいだろうそんなこと言うの。 そこが好きで付き合ったわけだが、仕事以外では思ったことを率直に言う彼女が好きだった。 駄目なものは駄目だという。 「千秋もさ~姉妹が可愛いんだよ。」 鷹崎も山本千秋という女性がどんな人間かは解っているつもりだ。 「今はヘタレって言われても言い返せませんね。」 そういいながらソフィアの処遇を考えていた。 鷹崎にとってのあの手の女性がどう出るかは知ってるつもりだ。 母親の花は毎回自分の息子である鷹崎を褒められたりすると気分をよくして紹介したり合わせたりしてきた。 五年は無かったから安心していたが、ここにきての行動。 バレエ教室の親子の件から数件ほど女性を紹介してきて、トラブルになったりしてきた。 「親父ほどではないが・・面倒な人ですよ。」 父親は婚約者を母親は彼女候補を・・ どちらも似たようなもので鷹崎は両親の行動に迷惑をしていた。 父親の方はすでに権力を失い今更だが、母親は悪気はないしかし何度もいろんな女性に合わせようとする。 また思い込みが激しく自意識の強いタイプばかりだった。今までは思い人の存在は知られていなかったから問題は最小限だったが。 今回は悪い予感しかない。 「さて~どうしましょうかね。」 鷹崎は母はともかくソフィアが気になった。 相川を相手にした言動にしても、どこか気になる。 「店に向かったほうがいいか。終わる時間にはつくからさ~。」 相川は繁華街むけてハンドルをきった。
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