ライバル意識

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ライバル意識

 「君は綺麗だね。」  「君の為なら何でもするよ。」 綺麗だの可愛いだのという美辞麗句を聞くのは心地いい。 実際自分でも美しいと思ってるし努力もしてきたし、少し微笑むと落ちない男なんていなかった。 花に息子がいることは聞いていたし、興味はそれほどなかったが実際に会った 時に自分の近くにいる男達とはあきらかに違った。 整った容姿だけでなく、何もかもを持っているような男。 HANAの経営難を聞いて買収したときの総会で初めてあったのに彼はまるで覚えていないかのような態度だった。 日本での撮影で会えると思ったのに、来ないとかありえないと拗ねて飲んだ 挙句に撮影に遅刻して。 花を通して食事に誘ってもダメで。 花の言い方が悪いのだと思って、今日は事務所にいるというから駆け付けたら「このモデル」扱いで名前も呼んでくれない。 イメージモデルも降ろすというから、謝罪して近づきたいって思ったのに。 入れ違いで帰るなんて。 腕に手を絡ませたら冷たく離せなんて・・・ 「息子は無理だと思って~。」 と花は言うけどプライドが許さない。 彼みたいな男が私に相応しい、私のような女が彼に相応しいはず。 そう思っていたら、私が遅刻したときに代役をしたという女が映った写真を見た時ただのOLとかいうけど、自分とは違う美女だった。 それは認めざるを得ないけど。 少し男に触られて倒れるなんて色気もなにもない小娘でしかないはず。 アランが撮ったんだから綺麗に撮れて当たり前。 彼女が彼と付き合っているとかではなさそうだし。 彼はいまだにフリーなんだから私が誘ってもいいはず。 「恋愛は自由よね~。」 ソフィアは思い出していた 「次の撮影はたぶん息子も来るし、美鈴ちゃんは解らないけど・・。」 花は独り言のつもりだったのだろうけど、聞いてしまったから次があるその時彼を捕らえる準備をすることにした。 「でもこの子がモデルになるって言ったらソコソコやるかもね~。」 でもHANAの実権は息子が専務を務める会社になったと言っても花の影響力は強く残っている。私を降ろすわけはない。 花は私の勉強の為と役員会に代理で出してくれた、娘のようだと言ってくれた。 「花さんは君に会社を託したいんじゃないかな?」 そんなことを言うモデル仲もいる。彼は何かと助言してくれる。 花が騙されてると「あの会社の材料は粗悪品を高く売りつけてきてる。」 花の仲の良い社長が騙してるって聞かせたら彼女が傷つくだからコッソリ 取引先を変えた。 そう助言してくれた彼には感謝してる、広告会社も紹介してもらった。 「広告会社変えて欲しいんだけど。」 「すごく上手くやってるらしくてSNSや企画を使って今と違うらしくて・・」 そういうと花は 「広告は今の所でもいいと私は思うけど、ソフィアがそのやり方をしたいと言うならいいわ。」 花は私が頼むとほぼ聞いてくれる。 優しい母親のように・・・。 「どうやってでもあの男を手に入れないと。」 娘になれない・・・。 誰も愛さないような男を落とすのは魅力的なゲーム負けるなんてありえない。 「君を愛さない人はいないよ。」 そんなことをモデル仲間の彼は言った。 だから大丈夫・・
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