拗らせ専務は溺愛したい

視察？？

「水族館の視察ですか？」

「ええ、ホテルと併設されている話題の場所ですね。相川が行ってもいいのですが、あまり意味がありませんし専務が行く方が先方も喜ばれます。」

ホテルと併設されている水族館はその水族館で結婚式ができるいうのもあるが、最近人気が高い。

「お忍びでもいいですが、とにかく先方の社長がゲームアプリで婚活サイト作りたいと依頼がありまして、ホテルの宣伝もあるのでしょうけど。加奈子さんが言うには、美鈴さんが好きらしいですよ水族館。」

視察なら抵抗がないはず。

「加奈子さんはすでに美鈴さんに打診して彼女は行くそうです、専務がいかないなら・・ああ井川君とかなら問題ないですよね。」

予定表をみるとすでに水族館視察と記載されていたから確信犯だと思うがそこを言うのも怖いから言わずに

「ああ、すでに予定にあるから大丈夫僕が行きます。」

顔には出ていないはずだ・・嬉しい楽しみ本当にいいのか？

いいんだよな。

「明日ですからよろしくお願いしますね。」

そういって千秋は部屋をでた。

ここ数日秘書室には情報が集まってきていた。

地味で仕事しかできない女と思われていた美鈴が実はスーパー美女だとわかり男達は色めきだっている。すでに合コンや飲み会の誘いもあるらしく井川がマネージャー宜しく排除していると聞いている。

早くなんとかしないと攫われますよ・・と千秋は思っていた。会社の為には何としても専務の恋を応援するしかない。

最近の秘書室は専務の恋愛指令室となっていた。もちろん指令長は千秋である。

「由紀さん、ワンピースとヒールその他諸々を加奈子ちゃんにサイズ聞いてデパートで買ってきてくれないかな？」

石田　由紀はセンスがいい。相川から預かってきたカードを石田由紀に渡した。

「奈々ちゃんは当日メイクとヘアーを願いできる？」

上田　奈々はメイクやヘヤーアレンジが上手い。

千秋は明日の準備を整えていた。

ここまでお膳立てしないとダメってどうなのかしらと思いながら恋愛小説を読んでいるような楽しさも感じている千秋は相川から依頼されたモデルのソフィアを調べていた。

あまり人を嫌うこともない相川が嫌いな女というほどだから相当だと思う。
同時にHANAの経営状態や交流関係も資料を集めてることにした。