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「マジでか?」
HANAの財務資料から赤字になる前と赤字になってからとの取引会社が違うことに千秋は気が付いた。
「この素材は単価にひらきはあるみたいですが、三倍以上の高値での取引になってます。それだけでなく広告料金も数倍です。」
問題はその時の議事録だった。
「その時の社長が一存で決めたようになってますが・・。」
と言いながら花の行動履歴と議事録が合わないことを千秋は指摘した。
「鷹崎は気がついているのだろうな。たぶん。」
気が付いていて泳がせているという見解が正しいだろうおそらく次の発注からはその会社は使わないか交渉に入るかするだろう。
「鷹崎は会議か?」
時間を確認して千秋はもうすぐ終わるはずですと答えた。
「鷹崎知っていたのか?」
会議を終えた鷹崎に相川は資料をみせて問いかけた。
「知らないとでも?」
やはり知っていますよと答えた鷹崎はやっと気が付いたのですかと言わんばかりだった。
「母から経営が危ういと連絡があったときに既に知っていました。どんぶりな母ですから適当な経営だったとは思っていましたが、本来経営難になる要素は希薄だったんです。」
そういって鷹崎の調査結果を提示してきた。
そこに調査された内容は事細かく怪しい人物の素行調査もなされていた。
「今回日本の撮影にしたのは考えを探るためです。ちなみにアランは日本語はともかく英語は話せますよ。」
しかしアランが黒幕ではないと鷹崎は言った。
「単純なんですよ。母が一人の少女に肩入れして育て上げ大事にしていたのを利用されたんですよ。足るを知ることが出来ない子ですからね。」
誰のことを言っているのかはすぐに相川は理解できた。
そしてどうするんだと問いかければ、何年自分と付き合ってるんですかと言われるとそれもそうだと思う。
単純なことだが簡単には終わらせないという鷹崎は罠をすでに仕掛けている。
獲物が罠にかかるのを待っているというが鷹崎は
待つのは飽きたら獲物を捕らえにいくだろう。
「まあ、相手が可愛そうになるよ。」
「馬鹿ですか?悔い改める時間はあげましたよ優しいと思いますけどね。」
何処がだよと思ったが言うのは辞めた。
「それより明日の視察ですが~私服がいいでしょうかスーツがいいでしょうか?どちらがいいでしょうかね。」
本気で悩んでるんですよ~と言いながらホテルのレストランか違う方がいいかと言う。なんでもいいんじゃないと答えたら嫌な顔をしてきた。
「加奈子さんか千秋さん・・秘書室に聞きますからいいです。」
どうしたらいいかを秘書室にいた千秋が聞いて千秋も真面目に答えたらしく
上機嫌で「ワンピースみたいなので私服にします。」楽しそうにしているのはいいが暴走しないか心配な相川だった。
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