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「ジャケット返すんでしょ?専務が助けてくれたんだから視察に行くのに女性同伴でないとダメらしくて私も千秋さんも他の秘書も手が空いていないから姉さんが同行してあげて。ほら専務は紳士的だし相川社長からも姉さんのこと聞いているから大丈夫だから。」
加奈子はいつもより饒舌にはなしていた。また前に中断した撮影も今度やり直すことになったと言ってきた。
「私なんかだと専務はつまらないんじゃないのかな?」
上手く話せないとかどうとか言いながら着替えの為に会議室を借りていた。
そこには秘書室の千秋を初め由紀と奈々がスタンバっていた。
用意されていたのは白いワンピースに大きな赤い花がプリントされているもので身長の高い美鈴にはよく似合った。
「身長が高いとこういう大きな柄が映えるのよね~私じゃ着れないけど好きなのよね。」
そういいながら満足げな由紀は高いヒールの靴を出してきた。
アクセサリーも用意されていて、次はメイクとセットだと奈々がメイクセットをひろげてメイクしてくれた。
「美鈴さん~お手入れどこのを使っていますか?すごく肌が綺麗なんですけど。」
コンビニで売っているものだというと嘘だよ~どこの?と聞くくらい美鈴は肌が綺麗だった。
「このヒールの高さ大丈夫かしら?」
普段高いヒールを避けている美鈴はこの間の撮影の時に履いたくらいで普段は高いヒールを履かない。
「専務は出先から向かうらしくて、近くの駅前なんだけどカフェで待ってて欲しいって。」
加奈子はスマホに送られてきたメッセージをよんでくれた。
「そうそう連絡が出来ないと不安だろうからってアドレス教えておいて欲しいって姉さんスマホ貸して。」
そういうと加奈子は美鈴のスマホを操作して専務の電話番号とアドレスなどを入れた。
「ラインも入れてあるから、困ったらというか今連絡しとくか。」
そういって美鈴のスマホから加奈子はメッセージを送信した。
「本日はよろしくお願いします。お約束の場所でお待ちしています。」
数秒でレスが帰ってきた。
「こちらこそよろしくお願いします。気を付けてお越しください。」
即レスってと加奈子はあきれた。
どんだけ楽しみなのよ。
「気を付けて行ってきて~レポートお願いね。」
美鈴を送り出してすぐに千秋は加奈子に
「私達も着替えていくわよ。結城君もよんだから。相川も行くし。」
「へっ?」
状況が読めない加奈子は何がどうしてと思う暇もなく千秋に連れ出された。
「あ~あ。千秋さん楽しそうですね。」
「相川社長は商談が引きこもるかだからね。」
留守番組の二人はヤレヤレと仕事に戻った。
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