1110人が本棚に入れています
本棚に追加
なるほど来たか。
イルカの泳ぐ姿に夢中の美鈴を眺めていたら大輔からのメッセージが来た。
「鷹崎さんイルカって可愛いですよ。ここドームになっていて壁一面が水槽ってすごいですね。」
壁一面が水槽になっているこの部屋はチャペルになるんですよと教えると目を輝かせて凄いと辺りを見ている。
「少し厄介事に巻き込むかもしれませんが僕を信じてくれますか?」
あの女は美鈴を遠ざける為ならなんでもするだろう。
「わかりました。鷹崎さんを信じます。」
美鈴はじっと鷹崎の目をみて答えた。
彼は優しい目で見つめ返してくれている、この人は信じても大丈夫だという本能的にそう思う。
「少し早いですが食事にしましょう。」
ホテルまで行かなくても、水族館の中にホテル並みの料理を提供する店があると教えてくれた。
「足は大丈夫ですか?」
大丈夫だと彼女は言うけど痛そうに歩いている。体を支えてあげたいが悩ましいところだ。かなり赤くなっていると簡単に想像できるから早めに食事にすることにした。
「もしよかったらどうぞ掴まってください。」
差し出した腕に少しためらいがちに掴まってくれた。ためらう仕草も何もかもが可愛い。これから起こる問題など明日にしてくれないかと今のこの時間を満喫したい。
「すいません。お願いします。」
やはり彼からシトラスの香がする。その香が安心するのか彼だからなのかはわからない。でも男性に触れるのも怖いのに彼は大丈夫。
二人はゆっくりレストランに向かった。
最初のコメントを投稿しよう!