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「この前菜おいしい~かわいい。」
白いお皿に魚介のゼリー寄席と一緒に花があしらわれている。
これは家では作れないですね。と言いながら食べてる姿は姿勢も綺麗で可愛くで上品だっ
た。
魚介がメインの料理で前菜とスープとサラダとパスタの順番で食事は提供され子供を連れた家族と大人のスペースは一見解らないように分離されている。
「大人と子供連れとさりげなく別に席が用意できるのはいいですね。」
そんなことを彼女は真面目に言う。
「そうですね、子供を連れていても入れるレストランは少ないですからね、水族館は子供を連れた方の方が多いですから。女性ならではの視点ですね。」
彼女は水族館でもスロープの位置や水槽の高さなどを見ては頭にいれているようだった。
「ここのチャペルはコンパクトに結婚式するならいいかもしれないですね、しかも大がかりな結婚式や披露宴はホテルでという選択もできる。人気なのはその辺でしょうか。」
結婚式に興味があるのだろうか?そう思って詳しいですねと言うと彼女らしいことを言った。
「そうですね、加奈子が大輔君と結婚するならこういうのがいいとかよく考えます。」
やはり自分のことでなく妹ですか。
「加奈子さんは貴女が結婚しないとしないかもしれないですよ?」
「そうかもしれません。でも私は・・。」
「恋愛してみてはどうですか?」
恋愛してみてはどうですか?そう言われて彼をみた。
「私は待っているんです、ある事件のとき助けてくれた人を・・・」
彼には話したい話しておきたいと思った。あの事件もおそらく彼は知っているだろうけど、自分の口で言いたいって。
黙って彼女の話を聞いた、思ったよりあの事件は彼女の心に傷をつけその後ここまで回復するのに時間がかかったこと。
「五年後迎えに行くって言ってくれた人の存在は夢なのかどうなのかは分からないです、でも五年間恋愛はしないって決めてたからどちらにせよ今年から頑張ってみようとかって思っています。」
何を頑張るんだ・・ヤバい危ない危険すぎるどうしたらいい。
「五年後間恋愛しないって決めたのは何故なのですか?」
「加奈子が大学を卒業して就職するまでの期間です。」
責任感が強い彼女らしい。
「鷹崎さんあのとき「カイト」を通じて法律を教えてくれたり、書類のつくり方を教えてくださいましたか?」
彼女は気が付いていたのか、教えるだけで弁護士として動いてあげれなかったことをずっと気になってはいた。
「あの時、僕は弁護士事務所を退所していたんです。アメリカに行くことが決まってました。だから受任できないから助言しかできませんでした。」
海叶のドナーが見つかり次第アメリカに行く契約の話は彼女には伏せておいたほうがいいと判断した。
「そうだったんですね、詳しく教えてくださって海叶さんが病院で名刺をくれて相談させていただいて、調査や法律の助言のおかげで事故の処理も叔父の件も解決したんです。皆さんのおかげでした・・もっと早くお礼を言わないといけなかったのにすいません。」
彼女の目には涙が光っている。その涙が美しくて彼女が愛しくて・・彼女の
存在意外のすべてを忘れていた。貴女が無事で今元気なのならそれでいいとしか言えない。
「怖い思いをさせてしまいました、本来もっと早く僕が対処していれば・・。」
「いいえ。私は無事でしたし皆さんが動いてくれたから助かったんです。
相川社長もアルバイトの時から色々教えてくれて、守ってくださいました。
そのころ専務はアメリカで一人でお仕事なさっていて話は聞いていましたがお会いしたかったんです。帰国された時に勇気がなくてすいません。」
僕こそずっと会いたかったんだ。帰国してすぐにでも会いたかった。
全ての問題を片付けてからでないと危ないと判断して、恐怖症も聞いていたか
ら手をこまねいていたんだ。
なのに貴女も会いたかったと言ってくれている。
そんな夢みたいな幸せなことがあるか?会いたかったって・・。
嬉しくて、可愛くて愛しくてどうにかなりそうな自分の気持ちをどうするか
このまま彼女に交際を始めようと言うべきかもう少し待つか・・・。
そんなことを考えているとスマホが震えた
「加奈子が暴走しましたすいません・・ホテルに来てください。」
大輔がメッセージで無く通話で知らせてきた。
「加奈子来てるんですか?」
「そうですね・・問題があったようです急ぎましょう。」
そういってホテルのラウンジに向かった。
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