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「あんた、加奈子と美鈴が姉妹かどうかなんて関係なくて、あんた騙されてもう少しで加害者にされていたんだよ。もしくは被害者?」
大輔は男をねじ伏せながらソフィアに言った。彼女は状況がいまだに読めずにいたが、フッと思い出したように大輔に向き直ると苦し紛れなことを言った。
「この男がやったことは私には関係ないわよ。」
次に何かを言おうとソフィアがしたときに鷹崎と美鈴が現場に到着した。
「加奈子!」
美鈴は加奈子を見るなり走り寄って加奈子の頬が少し赤いことに動揺した。
「殴られたの?誰に?」
「手が当たっただけだから大丈夫。」
泣きそうな顔で妹の頬に気を取られている彼女を気遣いながら鷹崎は大輔が押さえ込んでいる男に向かって静かに怒気を孕んだ声で言った。
「君は僕を本気で怒らせたいようですね・・。貴女もですよ。」
ソフィアは鷹崎が自分に向けても絶対零度の視線を向けていることをまだ受け入れられない。
「私は何もしていない。」
そういう彼女に鷹崎は「どうでもいいですよ。」と彼女の存在そのものをどうでもいいと言い切った。
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