美鈴がキレたら

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「あの人あのままでいいんですか?」 大輔が相川の耳元で小声で囁いて、また相川 も小声で「いいんじゃないか?」 と答えている姿はコソコソしているように千 秋には見えたのだろう。 「この計画って何処までご存じだったのですか?」 まだ何かの計画があるからコソコソしている のかと言わんばかりに質問されどう説明して いいのか、相川は頭を悩ました。 「仮定の話で確実ではなかったんだけど、あ の男、ロバートだっけ・・鷹崎が色々と動い ていたから追い詰められて何かするんじゃな いかとは・・。」 「思っていたんですね!」 千秋も理解はしている相川は策略家ではな い、どとらかというと単純な男だだからこそ なのか言葉が足りない。 「千秋さんこれ鷹崎さんの策略でしょうけ ど、計算外なのは相手が行動に移す前に加奈 子がキレたってことで、今思えばこれが一番 良かったかもって俺は思いますよ。美鈴さん がもし巻き込まれていたらそれこそ鷹崎さん に、とって最悪な事態だったんじゃないです か?」 ここはとりあえず相川の援護するしかないと 大輔は思った、鷹崎は最悪な事態を想定して いつも動いている節がある。そんな男にした ら今回の状況はそれほど悪くないはずだっ た。 「約束通り旅行は近そうだから結果オーライ ってことで!」 水族館での約束を思い出した千秋は頬を赤ら めてもういいですと機嫌をなおした様子だ し、どんな何の約束かは分からないが事なき を得たと 大輔は思った。  三人は同時に鷹崎を見た。少し口角が上げ た表情で目線は美鈴を見ていた。 「ありゃ~何というかこっちが恥ずかしいよ。」 大輔は鷹崎のデレた表情の顔をみてつぶやいた。 相川はあれは美鈴ちゃんに関してはいつもだ よとなんでもない事の様に答えた。 「マジで?!」 そういう大輔に相川は無言で頷いた。
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