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花は泣いたり騒いだりするソフィアをどこか俯瞰でみていた。
以前からカメラマンのアランから「あの子との距離感に気をつけた方がいい。」そんなことを言われていた。
「アランはこの事を言っていたの?」
花はまるで独り言のように呟いた。
ソフィアはアランが苦手だった、カメラマンとしては一流で花の信頼だけでなく、ソフィア自身もそれについては信頼できる。
他の人はソフィアが遅刻しても我儘を言っても笑って仕方ないって許してくれたのに、彼だけはいつも口うるさく注意してきた。
フランス語で注意してくるからほぼ意味は解らなかったけど、フランス語を少し勉強して理解できるようになった時に、彼が自分に厳しく注意してるって理解できた。
「あの煩く騒ぐカメラマンが花に何を言って
いたのよ!」
こうなったのはそうよ!アランよアランが何かを言ったから・・
「違うの!アランは貴女の事と私の事を思って・・。」
花は説明しようとしたが、すでに興奮してソフィアは聞く耳を持たない。
花もソフィアの行動に違和感をまったく感じなかった訳では無かったのに、自分の都合のいい解釈を花自身がしたから今の結果があると思うしかなかった。
成り行きを黙って見ていた鷹崎が口をひらいた。
「母さん、これで少しは解りましたか?貴女
の思い込みが過保護が彼女をダメにしている
っていうアランの言葉、僕も同感です。」
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