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ロビーには加奈子が心配そうに待っていていた。
「姉さん、大丈夫だった?」
美鈴は笑顔で大丈夫と加奈子に答えた。
「鷹崎さんが一緒にいてくれたから。」
鷹崎専務でも専務でもなく「鷹崎さん」と呼ぶ姉に何らかの変化があったと加奈子は感じた。
追いかけてきた鷹崎は二人にしつこく送りますと言ったが買い物がしたいという理由で丁重に断った。
マンションについたら連絡すると美鈴が鷹崎に約束をすることで鷹崎は二人を送るのを諦めた。
鷹崎は、二人を見送った後専務室ではなく社長室へ向かった。
社長室では千秋と相川が一部始終を防犯カメラで見ていた。
「ねっ大丈夫って言ったでしょ?」
「ええ。」
美鈴を華麗に助け出して後顧の憂いを断つようなやり方に千秋は流石だとしか言えなかった。
「もうすぐ鷹崎ここに来ると思うよ。」
そう言った矢先に社長室を一度ノックして鷹崎が入ってきた。
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