バーベキューは恋模様

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「その九条美月と鷹崎専務って元カノでないとしても何かあったんですか?」 千秋の質問に鷹崎は少し考えて答えた。 「昔・・もう十年前になりますかね?バレエの発表会に母の関係で出席したんですが、そこで、美鈴の演技をみて魅入ってしまって舞台にまた彼女が戻ってくるかもと舞台から目を離せずにいたら、自分を見つめてると勘違いした九条美月が母を通じて会いたいと言ってきたんですよ。」  げんなりした顔をして相川は当時を思い出した様に言った。 「そうそう。会わないと言ったら照れないで下さいだったっけ?もう、俺達が行くバーにまで来てさ鷹崎が興味がないと言ってるのに 九条家本家まで巻き込んで婚約騒ぎで・・。」 一つだけ彼女が役にたったと言えば・・自分が婚約者だと当時の女性関係を一掃してくれたことですね…と何でもないように言う。 そう言う鷹崎を千秋は女性関係を一掃という言葉に反応してみた。 「ああ若い頃の話ですよ。美鈴と出会ってからは彼女だけですから、僕は自分から女性を愛した事がなかったから、自分の気持ちを理解するのに少し時間がかかりました。でも逆にあの頃、今のような気持ちでいたら彼女に間違いなく会いに行ってますし、交際を申し込んでますから、彼女が九条のターゲットになっていたでしょう。その頃は何の力もありませんでしたから守り切れずにいたと思うと・・・しかし、今はどんなことがあっても守れると自負していますから。」 不敵に笑う鷹崎を千秋は違う意味で別人なのかと思ってしまった。しかも彼の過去の恋愛遍歴については好奇心より恐怖のほうが勝った。 「これから九条が仕掛けてくるなら後悔することになるでしょうね。」 既に何か罠をしかけた様な悪い顔をした鷹崎はいつもの彼だった。 「ねっ、鷹崎の恋愛遍歴を聞いたら別人に見えるかもって言ったでしょ?」 相川はこれ以上は聞かない方がいいよと千秋に言った。 千秋もまたこれ以上の話は聞くのが怖かった・・。 ピコーン!と鷹崎のスマホの音がなりすぐ確認した鷹崎は微笑みながら返信しているではないか! 「無事帰ったようです。明日は迎えに行ってから出勤しますね。」 と専務室に戻って行った。  
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