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「美鈴さん少しこっちで見てくれない?」
花はリビング横のアトリエに来るように美鈴に言った。
アトリエは生地のサンプルやデザイン画があったが散らかった感は無く整理されていた。
壁に飾られた一枚の額に入ったデザイン画に美鈴は目を奪われた。
「これ気になる?これねマリエなのウエディングドレスね。」
マーメイドラインのデザインみたいだけど、バラなのか花が印象的で大きくスリットが入っているようだけど・・
「これね、スリットの部分から足が見えそうで見えないようにしてあるのよ。」
花はそう説明してくれた。
「可愛い~綺麗。」
そう美鈴が感嘆の声を漏らしたら花は
「貴女がお嫁さんになるときにプレゼントしてあげるわ。」
期待していてと花は優しく目を細めて笑顔を向けてくれた。
「いつになるかわからないですよ?無いかもしれませんし。」
そう言うと花は気長に待つわと笑った。
今回見て欲しいのはこれよと三枚のイブニングドレスの画像を見せてくれた。
「撮影の時にね前のドレスより貴女は可愛いのが好きかもって思ったからねどれがいい?サイズは全部貴女に合わせてあるから。」
当日の修正と調整は必要だろうけどと言いながら見せてくれたドレスは可愛い。
花のデザインは必ずどこかに花が隠れてデザインされていると彼女は説明してくれた。
「これが好きです。」
シンプルなデザインのドレスだけど、デコルテ部分のデザインに花が使われている。色は深いブルーだった。
花はなるほどと頷くと期待していてねと言って美鈴に皆が待ってるようだから戻ってもいいわよと言った。
戻るとすでに相川は飲みつぶれて寝ていたが、他はみんな元気にまだ食べていた。
美鈴は自分でも無意識に鷹崎を探す。
彼はアランと会話をしていたが、美鈴が花のアトリエから出てきたのを待っていたようだった。
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