陰謀の影にも負けず

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 「いったい何をやってるのですか?」 社長室に入るなり千秋の目の前には悲惨な光景が拡がっていて 相川はシッ!と口元に指を立てて喋るなと千秋に指示した。特殊な器具を使って何かを調べているようだったが、既に盗聴器と思われるものが机の上にいくつか置いてあった。 最後の一個を棚の後ろから見つけて相川はフーゥと息を吐きだした。 「もういいよ~まったく誰だよこんなに仕掛けた奴。」 1,2,3,と個数を数えながら呆れた顔をして言った。 「何時からですか?」 「俺達がこの部屋に居ない間だから、ここ二日ってとこか。」 パソコンにも何かされている可能性もあったから電源は落としたままにしていた。 専務室も同様みたいだったが、先に撤去してノートパソコンを使って仕事をしているらしい。 「解析ソフト使ってもいいんだけど、相手がプロなら会社の情報が危ないからさ知り合い呼んであるんだ。俺の仕事はノートじゃ出来ないからな~。」 メインコンピューターや重要なものは相川もプロで侵入出来なくしてあるが、相手が解らないだけに解析のプロを呼んだという。 このビルそのものもセキュリティ対策は万全なはずだった、何故ここまで犯人が入ってきて盗聴器まで仕掛けることが出来たのかが今は解らずにいた。 「鷹崎は何か掴んだみたいだけどな。」 「一体誰が何の為なんでしょうか?」 「九条グループだと鷹崎はふんでるな・・馬鹿な奴らだよ。」 九条グループは弱体化しているとは言えかなり広い範囲で影響力を持っているグループ会社で九条美月の祖父が会長をしていた。 「孫娘の為にここまでするのかしら?」 「鷹崎自身が欲しいんじゃないのかな?会長の後があのグループにはいないからな。」 ライトコーポレーションを弱体化させて鷹崎を引き抜くつもりなのかまたは、弱みを探して鷹崎を脅して引き抜くつもりか・・ どっちにしても狙いは鷹崎だと言う事だと相川は分析していた。 「美鈴さんが危ないのでは?」 鷹崎の弱みであり弱点になるのは美鈴だと千秋は思ったがしかし、相川は「逆だよ今回は彼女がキーになるよ。」と言う。 今に解るとだけ言ってそれ以上は言わなかったがその意味を千秋はすぐに理解することになった。
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