家出少女

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秋「…」 満「…(…何故だ。何故こうなった)」 俺は今、一人の女性と向き合って座っている。 女性は座ったままこちらをじっと見つめている。 ことの始まりは1時間前に遡る。 俺、満枝冬馬(みつえだとうま)は働いているカフェ店でコーヒーを入れていた。 自慢じゃないが、俺はコーヒーを入れるのが得意だ。 中学の頃、母が入れてくれたココアの味が忘れられず、大学卒業と同時にバイトなどで貯めたお金でカフェを開業した。 人気はそこそこだが、週に2回通ってくれる人もおり、それなりに営業できている。 「子供でも飲める美味しいコーヒー」を目指して日々研究に励んでいる。 満「じゃあ、お疲れ様~」 店「お疲れ様でした~」 店員の1人に店の戸締まりを任せた俺は、帰路に着くことにした。 俺の家は店から歩いて30分ほど歩いたところにある。 どうということはない5階建てのマンションだ。 本当は一戸建ての家に住みたかったが、空いている物件が少なかったため、仕方なくこのマンションに住むことにした。 住人は良い人ばかりだし、管理人も人当たりの良い人で住み心地は良いのだが、エレベーターが良く使えなくなるのが唯一の欠点だ。 1ヶ月に1回は必ず点検が入り、数時間は使えなくなる。 何故点検にそんな時間がかかるのか。 今日も案の定エレベーターには『使用禁止』の貼り紙が張られていた。 満「…ハァ」 俺はため息を吐きながらゆっくりと階段を上っていった。 満「ふぅ~」 階段を上り終わった俺はひとつ息を吐いた。 俺の部屋は階段を上って右に曲がった突き当たりにある。 俺は部屋に行くために右に曲がった。 満「ん?」 俺はそこで不思議なものを見た。 俺の部屋の前に、女性が座っていたのだ。
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