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満「…誰?」
俺は恐る恐る彼女に近づいた。
秋「…ん」
女性は顔を上げた。
秋「…遅い」
満「遅いって…」
秋「1時間も待ってた」
満「1時間…」
俺はそこでふと気付いた。
満「…もしかして、秋葉?」
秋「今気付いたの?」
そこにいたのは、中学の時のクラスメイト、秋葉瑞季(あきばみずき)だった。
満「(勢いで家に入れてしまったが…)」
時間は最初の時に巻き戻り現在に至る。
俺の目の前には仏頂面をした秋葉がいた。
「いつまで外にいさせるつもり?」「まさかこのまま帰らせるつもり?」こんな感じの言葉を5分間ずっと聞かされ続け、この度に顔が不機嫌になっていき、ついにこちらが根負けして家に入れることになってしまった。
しかし、何故彼女は俺のところに来たんだろうか。
中学時代もそんなに話したこともない筈なのに。
秋「ねぇ…」
満「…」
秋「客人を前にお茶も出さないつもり?」
満「…ここは急な客人に対応できる店じゃないんで」
秋「…接客の悪い店」
満「…それで? 何の用? 俺仕事終わりで疲れてるんだ。用がないなら…」
秋「あなたのお姉さん。…今何処にいるの?」
満「姉ちゃん? 何で秋葉が姉ちゃんのことを…」
秋「あなたのお姉さん、駆け落ちしたの。…私のお父さんと」
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