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秋「…美味しい」
満「ありがとう…。これでもカフェで働いてるからね」
秋葉は俺の淹れたコーヒーに舌鼓を打っていた。
インスタントでも、淹れ方ひとつで味は変わる。
店の物を安易に家では使えないので、家に来た人にはインスタントを出すようにしている。
秋「ねぇ…」
満「ん?」
秋「…男の人って、何ですぐに別の女のところに行っちゃうのかな」
満「えぇぇ…(男に限った話でもないと思うけど…)」
いきなりの言葉に俺は戸惑った。
満「…多分、慣れちゃってるんじゃないかな」
秋「慣れ?」
満「うん。結婚生活とか、付き合ってた頃の現状とか、そういうのに慣れちゃって、刺激みたいなのを求めてるのかもしれない。まぁ、浮気したいとか思ったこと亡いから分からないけど」
秋「慣れ、ねぇ…」
秋葉は不服そうな顔をしていた。
満「…刺激を求めるのは良いけど、周りのことは考えてほしいよ」
秋「…」
満「周りのことを考えずにやるのは、ただの自分勝手な自己満足だ」
秋「…そうだね」
2人の間には妙な空気感が漂っていた。
しばらくして、秋葉は帰っていった。
その顔は、来たときよりもほんの少しだけ笑顔だった。
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