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 最近ルカは、ケイトに色々と相談をしている。 「なんつーの、その……い、い、意識、するのは、オッサンだし、やっぱ気持ち悪い?」 「……………さあ」 「あ…ケイト的には俺はオッサンじゃないか…」 「サラ様くらいの時だと、オッサンと思っているかもしれない」 「ウワァ!」 「ただサラ様はルカのことを……好きかはよく分からないけれど……まあ、あんな感じだから喜んで飛びついてくるんじゃないかな」 「やっぱ? 俺間違ってないよな? ただ、俺には旦那の『10の呪い』があるからさ。まあ手は出せな………いや、出す気はないよ、ほんとに」  旦那とは、サラの父である。ケイトと違い、ルカはサラの父と母に仕えている事になる。その中で、サラの執事をこなしているのだ。  『10の呪い』とは、言ってしまえばサラの父、レイの単なる行き過ぎた思い込みである。  レイが10歳の誕生日、蝋燭の火で袖を炙ってしまった。それからレイの10代は、ちょくちょく(レイ的に酷い)災難に見舞われたという。  20歳になった時、あれはきっと、『10代の呪い』だ、などというよくわからない思い込みを始めた。  しかし、20歳の際、再び呪いのような災難に見舞われた。階段から降りる際、うっかり足を滑らせ、挫いたという。  レイは確信した。これは『10の呪い』なのだと。  以来、レイはとにかく『10』を嫌う。ちなみに、その挫いた20歳から数年後に今の妻、つまりサラの母、マアサと出会った。  レイが30歳になった時の『10の呪い』は、愛娘サラが1歳の時、高熱を出して生死を彷徨ったことである。これは『呪い』かはさておき、災難だったのは間違いない。  40歳での『呪い』は、あまり大きなことではないので忘れたが、とりあえずレイは飽きないのか騒ぎまくっていた。  さて、ではルカがその『10の呪い』にどう関わっているのか。お分かりいただけただろうか。 「まあ、確かに……『10』の差っていうことは、気にしてしまうかもしれない、私がレイ様でも」  そう、歳の差である。 「何より今はお嬢自身が『10』代だしな……レイ様的にはそもそもお嬢の周りに俺がいるってだけですでに『呪い』なのかもしれない」 「それはないと思うよ。だったらルカに執事の真似なんてさせないでしょうし」 「そうそう、何より私はサラの相手はルカで大歓迎なのよ」 「そうか、そうだよな、ありが―――えっ?」  いつの間にやら、ルカとケイトの後ろにはニコニコ笑顔のマアサがいた。
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