在庫確認

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在庫確認

「社長が留守なので分かりません、で良かったのに」 「でも困っていたみたいなので」  咲は店舗に電話をかけて在庫を調べてみることにした。  モニターが納品されたのが金曜日の午前で、その時に入ってきたのが6台だった。  すぐに店舗に入荷連絡をしてA店が3台、C店が1台を事務所から持ち出している。  だから事務所に残っている在庫は2台。これはすぐに確認ができた。  あとはA店とC店が持っていった分が何台残っているか。  今日は火曜日なので、もう四日ほど店頭販売していることになる。  咲はA店に電話してみた。  忙しいのだろうか。少し待たされた後で店長が電話に出てくれた。 『どうしたの?』 「じつは社長のお客さんから連絡がありまして、同じ型番のモニターを探しているそうなんです」 『その型番は?』  咲はメモしておいた型番を読み上げてみた。  反応はすぐに返ってきた。 『ああ、あのモニターね? あれならまだ2台あるよ』 「本当ですか? ではお客様取り置き分として取っておいていただけませんか?」 『わかった。じゃあ取っておくわ』  A店店長の言葉はとてもありがたかった。  やった。これで2台確保である。  あと1台。  今度はC店に電話をかけてみた。  まだ売れていなければ、これで5台目の確保ができるので、お客さんに良い報告ができる。 『残念、さっき売れちゃったよ』  しかし返ってきた反応は残念なものだった。
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