物体記憶捜査班

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物体記憶捜査班

「ねぇ、覚えてる?」 その言葉(ワード)発動条件(トリガー)。 私の特殊能力が始動する。  私が両手で掴んだ支柱の先にはオレンジ色のカーブミラーがついている。  鏡の表面がグラリと歪むと、そこには生々しい事故の映像が写し出された。  『物体の記憶を読み取る能力』とでも言うのだろうか。  私はこの能力を買われてこの春から、警視庁刑事部の捜査一課、特命捜査対策室に所属している。   「やっぱり千夏(ちなつ)が一人いるだけで事件解決の速度が全然違うな!」  私が写し出した『カーブミラーの記憶』を録画し終えると、幼馴染みの朋樹(ともき)は嬉しそうに顔をあげた。  
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