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専門捜査官
6つ年上の朋樹は大学卒業と同時に、小さい頃からの夢だった警察官になった。
彼は入職すると同時に私の能力を上司に猛烈アピール。
その実用性が評価され、私も短大卒業と同時に『専門捜査官』として登用されるはめになったと言うわけだ。
「千夏のこの力があれば、迷宮入り事件なんか全部解決できるもんな」
正義漢で一本気な朋樹は、昔から未解決事件が苦になって仕方ないらしい。
「全部は無理だよ。『物体の記憶を読む』って言ったって、会話ができる訳じゃない。
せいぜい『鏡に写ったものを再現する』のが精一杯。現場を写していた鏡がなきゃお手上げだし、鏡は音までは記憶しないから映像のみだしね」
私は言い訳するように、何度も同じ説明を繰り返す。
「それでもこうやって、過去の現場検証ができるんだからすごいよ」
「1週間も前まで遡ると結構疲れるんだからやめてよね」
「悪かったって。あまおう苺のタルトおごるから!」
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