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ここでリオの申し出を断ろうものならオレの弁慶さんは砕け散るだろうし、そもそも今の今まで手伝ってもらっていたオレが断るのは流石にバツが悪すぎる。
……まぁ外に出ないだけましか。
「クレハ、どれくらい宿題は残ってるんだ?」
「ししょーもリオの言いなりになっちゃうの!?」
「頼まれている以上仕方ないだろ」
「……うち、宿題より大事なこと、あると思う」
「真面目な顔して言っても無駄だ。それにちゃんと宿題やらないと今度はこっちに来るの許してもらえないかもしれないだろ?」
「それは……そうかもしれないけど……」
クレハは分かりやすく落ち込んで、目を伏せる。確かに可哀そうではあるが、ここは年上としてしっかり示してやらないと。
「宿題が終われば遊んでもいいってことだろ?だったら早く終わらせて遊ぼうぜ?」
「ししょー……!……あっ、でも……」
ぱあっと笑顔になったと思いきや、またしても表情が暗く沈む。
「どうした?」
「……宿題、やりたくないから全部置いてきちゃった……」
「おいおい……」
「そうするだろうからってクレハちゃんのお母さんから全部持たされたよ」
「おいおい!」
流石クレハのお母さん、良く理解していらっしゃる……。そしてリが真面目なことまで良く分かっている。
「……ちぇっ」
「おいクレハ」
こいつ舌打ちしやがったぞ。女は皆女優とはよく言うが、クレハまで該当するとは思わなかった。いっちょ前に凹んだ振りしやがって。
「まぁまぁ光さん何はともあれ、宿題があるなら片付けちゃいましょうよ」
「……そうだな」
諸々の気持ちをグッと堪える。宿題さえ済ませれば万事解決なんだからとっとと取り掛かってしまおう。
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