4人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「隼人は?」
「あ?」
あ、って。マジで何も聞いてないのかよ。
「宿題、いつ終わらせたのかって話。隼人のことだからもう終わってるんだろ?」
こいつが勉強している姿なんて見掛けたことないけど、オレが一進める間に十終わらせているんだろうな。
「あぁ、宿題か。休み前だな」
「……休み前?」
休み前って何?週末の休み前ってこと?ということは先週末ってこと?
頭に疑問符がいくつも浮かんでいることを察してか、隼人は言い直した。
「夏休みが始まる前だ」
「……は?」
夏休みの宿題を、夏休みが始まる前に?
「別に、最終日に宿題の内容がまとめて公表されるわけじゃない。公表されてから取り掛かれば休みが始まる前には終わる。それに宿題の内容なんてある程度決まってるから予測もできるだろ」
……なんかこう、オレと隼人じゃ夏休みの宿題という概念の解釈に大きな違いがありそうだ。
予測ができるからってあらかじめ取り組むものでもないだろ。せっかくの休みがとかなんとかぶつぶつ文句を言いながらだらだら取り組むのが醍醐味であって、そんな作業みたいに蹴散らしちゃうのはもはや宿題が可哀そうに思えてくる。
……まぁ、早く終わらせた者勝ちなんだけどさ。
最初のコメントを投稿しよう!