初恋の忘れ物

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「相良さん、よろしく。」 高校2年の9月、席替えで隣になったのは、学校一の人気者、八坂拓馬くんだった。 「私の名前、知ってたんだ。」 「同じクラスなんだから知ってて、当たり前でしょ。」 「八坂くんと話ししたことなかったから。」 答えになっているのかわからない返事を返すと八坂くんはニコッと笑った。 「とにかくこれからよろしくな。お隣さん。」 「こ、こちらこそ…」 私は中学までいじめられっ子だった私は環境を変えたくて、誰も同中出身者がいない少し離れた私立高校に入学。 高一は、既に出来ているグループに加われず、教室でひとり読書して過ごした。 そんな私も2年になり、一学期隣の席になった加藤美春と仲良くなり、美春の友達だった松本佳奈、桐生奈帆とも一緒にお弁当を食べるようになれた。 でも引っ込み思案で男子とは、なかなか仲良くなれな買ったから、八坂くんに気楽に声をかけてもらえて単純に嬉しかったんだ。
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