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隣の席なら他の子の目も気にせず、会話もできた。
「相良さん。シャーペンわすれたから貸して。」
「これって何?」
「さんきゅ。」
些細なことだけど話しかけられる事が当たり前になり、文化祭の準備をグループごとにやった事をきっかけに付き合い始めたんだ。
「ねぇ、奈々美。八坂くんと仲良いよね。」
屋上ランチの時、奈帆に聞かれたけど付き合っているなんて言えなくて誤魔化していた。
「お隣さんだから気を遣ってくれているんだよ。」
「八坂くん優しいもんね。」
「みんなの八坂くんだもんね。」
「そ、そうだね。」
「八坂くんの彼女出来たらどーしよー。」
「大丈夫、佳奈は選ばれないから。」
「そう言う奈帆も。」
「ほら、2人が暴走するから奈々美がびっくりしてるよ。」
その日はお弁当の味が分からなかった。
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