初恋の忘れ物

5/8
前へ
/8ページ
次へ
「でね、奈々美も行くって返事していいよね。」 美春に念を押されて現実に戻る。 「そうだね。場所、決まったら教えてね。」 「了解っ。」 最悪、ギリギリに仕事を理由に断ったらいいし。 あれから10年。 拓馬くんだって彼女か下手したら奥さんいるかもだし、たくさん参加者がいれば、話さないで終わるかもしれない。 私だってあれからひとりやふたり、付き合った人はいたんだし… まぁ2人だけ、しかも2人とも向こうから告白されたのに冷めていると言われて、あっという間に振られたけど。 今は卒業した高校の社会科…日本史を教える教師になった私は、あの頃の大人しい女の子じゃない。 生徒にちょっと怖いけど、好かれていると思う奈々ちゃん先生になったんだよ。 拓馬くんに言ったら驚くだろうな。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加