初恋の忘れ物

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初恋の忘れ物

「ねぇ、覚えている?八坂拓馬くんのこと。」 高校時代の友人、加藤美春からの久しぶりの電話に何の用だろうと出た私は、なんて返事をしたらいいのか、一瞬戸惑った。 八坂拓馬…私たちの高校のクラスメイトで、学校一の人気者。 美春には言ってなかったけど高校時代の元カレだ。 あの頃、下手に付き合っているのが、バレて女の子たちから嫌がらせをされたくない私は拓馬に黙っていてと言って、内緒で付き合っていた。 「奈々美?」 「あ、うん。覚えているよ。」 「八坂くん、10年ぶりにこっちに帰ってきているらしくて、どうせなら同窓会やろうって話になってさ。来週の土曜日の夜なんだけど奈々美も行くでしょ。」 拓馬に会える… 会いたい?会いたくない?
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