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コーヒーはお砂糖なし、ミルクたっぷり
「ねぇ、覚えてる？」
テーブルに置かれた２つのカップが湯気をたてている。
注がれているのは両方ともブラックコーヒーだ｡
私は反射的に声をあげた。
「コーヒーはお砂糖なしでミルクたっぷりにしてって頼んだわよね？」
彼は私に背を向けたままキッチンでリンゴを剥いている。
私はイライラしながら続けた。
「全く気が利かないったら。コーヒーを淹れたなら、生クリームたっぷりのシフォンケーキかスコーンが定石でしょ？なんでリンゴなのよ！ フルーツ出すなら紅茶を淹れてって言ってるでしょ？」
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