7人が本棚に入れています
本棚に追加
「こうして君の将来の役に立ったのなら、それで……」
「私だけじゃありません」
「え?」
「悪い人より、ずっとたくさんのお客さんが応援しています。本と読者をつなぐ懸け橋になってくれた人を、忘れるはずないです。店長だってそうでしょう?」
霧島の脳裏に、優しかった祖父の顔が過ぎり、自然に表情が和らいだ。人間不信に陥りそうだった霧島の緊張が、解けて消えていった。
代わりに夢を一つ、未来に抱いた。
この子の本が書店に並んだ時、POPにどんな言葉を飾ろうか。
<了>
最初のコメントを投稿しよう!