【2000字掌編】夢の懸け橋は、僕らを繋ぐ

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「こうして君の将来の役に立ったのなら、それで……」 「私だけじゃありません」 「え?」 「悪い人より、ずっとたくさんのお客さんが応援しています。本と読者をつなぐ懸け橋になってくれた人を、忘れるはずないです。店長だってそうでしょう?」  霧島の脳裏に、優しかった祖父の顔が過ぎり、自然に表情が和らいだ。人間不信に陥りそうだった霧島の緊張が、解けて消えていった。  代わりに夢を一つ、未来に抱いた。  この子の本が書店に並んだ時、POPにどんな言葉を飾ろうか。     <了>
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