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狐入りの役職において、占い師の責任は特に重大だ。
なんせ狼を探すのみならず、占いによって狐を呪殺するという仕事もあるのだから。むしろ、狼以上に狐を探すことが最大の役目とも言えるかもしれない。人数がたった十二人(初日犠牲者もここに含まれている)の村ということはつまり、村人か狼の勝利条件が満たされるまでが早いということ。それこそ狐がいる状態で連日で狼を吊ってしまったら、即座に村の負けが決定してしまうのだ。
「ど、どうしよう兄貴。俺、狐村の占い師苦手なんだけど……」
二日目の夜の時点で、僕は既にぐったり気味だった。現在の状況は、以下の通りである。
<占い師CO>
ツギクル→アコ白
餅→ヒズミ白
<霊能者CO>
青色
<暫定白>
アコ、ヒズミ
<グレー>
ねずみねこ、トッカータ、砂時計、ジョニー、N
<噛み>
初日犠牲者
<吊り>
ミリアリア
自分達が本物の占い師であることは、自分達が一番よく知っている。つまり、ツギクルの占い結果は100パーセント本物であることを自分達はわかっているというわけだ。占い師という仕事は、村の中では誰よりも情報を得ることのできるポジションの一つでもあるのである。つまり、自分達が初日に占って白を出したアコは、狼でも狐でもないことが確定している。なんせアコは、二日目の朝も普通に生存していた。狐であったら溶けていたはずだ。
そして餅、が偽の占い師である以上、村陣営ではないことも確定している。狼か狂人か狐。稀に、狩人などが占い騙りをするレアケも存在するが、ことに12B配役で狩人が占い騙りをするメリットは薄い。今回は除外して問題ないだろう。下手をしなくても利敵行為になりかねないからだ。
ちなみに初日は両白ということでグレラン展開になり、ミリアリアが吊られた。彼ないし彼女は寡黙ではなかったものの、他のプレイヤーへの発言への追従が多く、自分の印象を隠している空気が強かったためである。狩人だったらごめんと思いつつ、それ以上に“最終日まで残しておきたくない人間だ”と考えて僕達も彼に投票した。同じようにミリアリアに投票した人間も複数いたため、彼が吊られる結果となったのである。
彼が素人だったのか、あえて吊られにいったのかは現状ではわからない。予選の段階では、レベルの高いプレイヤーと低いプレイヤーが入り混じるのがわかっているからだ。
「とりあえず、今日予告したところを占え」
大会では、夜時間もたっぷり用意されている。相談しながらじっくり考えをまとめることも可能だった。
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