人狼ブラザーズ!

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「昨日の昼、お前はグレーのうち“ねずみねこ”に予告しただろ?さすがに予告したところを占わないというのは印象が悪すぎる。明日は占い決め打ちになる可能性も高いから、絶対にそこを占え」 「わ、わかってるよ」  僕は兄に言われて、能力実行ボタンを押した。  表示されたのは、“ねずみねこさんは狼ではありません”の文字。どうやら、彼は人狼以外の何かであったようだ。なお、呪殺したかどうかが分かるのは、明日の死体次第である。死体が二つ出て、かつねずみねこが死んでいた場合に限り“呪殺した可能性が高い”ということになるわけだ。残念ながら大会のシステムでは、明確に呪殺しましたとシステムメッセージが出るわけではないのである。 「狐じゃなかったからやばいよな?明日、真だって信じて貰えないと吊られるかも……」  つい弱音を吐くと、兄は“まあ待て”と僕の背中を叩いた。 「俺も、ねずみねこは狐ではないと思う。むしろ、お前と同じように狼目狙いで占うべきだと思った位置だからな。強弁位置なのは確かだが、どうにも議論を誘導するような発言が目立った。ここが人外だったら怖いという位置だったしな……議論のペースを握られそうだったし。時間もない中、かなり悪くない占い処だっただろうさ。この配役は狐もいないから、強弁位置=猫という理論もないしな」 「そうだよな。でも白結果じゃ……」 「悪いことばかりでもないぞ。占い師の役目は猫と違って“つられないこと”が大事なわけじゃない。それ以上に、村に情報を落として勝利に導くことが大切だ。昨日の状況から見て、俺達がわかったことが大きい」  占い師であっても、占っていない人の中身はわからない。そして、狂人と村人の見分けもつかない。効率的な占いをしつつ、可能な限り長く生き残るには知恵を絞らなければいけないのだ。 「明日の霊能結果次第だが、恐らく昨日吊られたミリアリアは狼ではない。村人か、吊り稼ぎに来た狂人だと思う」 「うん」 「で、俺達の眼から見てあしたねずみねこが溶けていなければ、ねずみねこの非狼と非狐も確定する。で、俺達の対抗である偽占い師、餅はヒズミに白を出し、昨日はNに予告を出した。そうだな?」 「だね」 「この大会のルールでは周りに許可を取らない限り、占い師の占い予告は昼の発言で行うことになっている。というか、昨日はグレランだったから、投票で予告するのが難しい状況だったしな。……それを踏まえて、昨日の最後の会話ログを見てみろ。いろいろと見えてくることがあるんじゃないか?」 「?」  兄の言う通り、僕は会話ログを出して来て確認した。  大体、以下の通りである。
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