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「そっか。決まって良かったな。
……俺たちも、家建てようか。玲奈の設計に矢野商会建築部の施工でさ」
「直樹……」
直樹たちはいまだに賃貸マンションに住んでいる。遠くない未来に自分たちの家を持ちたかった。
家族で暮らす家。四人が自由に過ごす場所。
幼い時、当たり前のように存在した場所を、もう一度作りたいとずっと願っていた。
「いいの?」
直樹の両親のことを気にしていると分かった。首を振る。
「ああ、いいんだ。やっぱり一緒に暮らすのは無理だな。
今は何かあったら会いに行ける距離なんだから、変えるつもりない」
少し遠いくらいの距離感がいいと思う。そして、家族がリラックスできる場所を作るなら、玲奈と一緒に作りたかった。
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