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自宅の階段3段を上るのももどかしく、ドアを開けて、すぐ右側にある俺の部屋に直行。ネクタイと上着をベッドの上に放り投げ、買った食材を急いで持ってキッチンへ。
早速、椅子にかかっていた妻のエプロンを身につける。白地に赤とピンクのチューリップが描かれている花好きな妻らしいデザイン。サイドに白いレースのフリルがついているのがたまらない。
ボウルに水をはり、包丁で小さく切ったジャガイモを手際よく放り込んでゆく。あく抜きするとえぐみや苦みがとれて、変色もしない。
鍋に油をひいて、軽く牛肉を炒め、カットした人参と玉ねぎ、さらしたジャガイモをさらに軽く炒める。人参も薄くスライスして、引き出しにあるクッキーの型抜きを使う。まな板の上には、あっという間にオレンジ色のお花畑が広がる。
本当に料理をするのは楽しい。家計を養ってゆかないといけない俺だが、サラリーマンをするより、毎日、食事を作っていたい。俺は家事が大好きだ。母親業の方が向いているんじゃないか。
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