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時間を節約する為に、ポットから軽量カップにお湯を入れ、鍋にそそぐ。しばらくすると灰汁が出てくるのをお玉ですくって捨てる。あとは、ぐつぐつと煮て、ルーを入れるだけ。
ここまでくると俺はかなりハイテンションになっている。
鍋をセットすると、俺は名残惜しく、エプロンを外す。これからが俺の大切な時間だ。
そして、妻の部屋のドアを開ける。
クローゼットの中には、妻のよそゆきの服が入っている。先日も百貨店で、妻の誕生日にプレゼントした、ワンピースがハンガーにかかっている。
青い小花の散ったワンピースは、パフスリーブの半袖がふんわりとしている。いかり肩も隠してくれるデザインを選んだ。スカート部分は、マーメイドラインになっているが、膝下からはフレアになっていて、ほどよい上品さを醸し出している。襟もとはVネックで、すっきりと洗練されたイメージだ。
妻と俺の身長や体重がほぼ同じでよかった。
俺はそのワンピースを自分の部屋に持ち込むと、壁のハンバーに掛けた。
そして、デスク横にある鍵のかかった引き出しを開けた。俺の時間、大切な俺の時間。
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