三章 2

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「私は、和香をそんな風に変えてくれた佐藤になら、大切な友達を託したいと思える。無理にくっつけたいわけじゃないけどさ」 あの緑が、男をうざったく感じているような緑が、佐藤なら許せるという。 それくらいいい人なのに、やっぱり自分の中では、やっぱり釣り合わないんじゃないかという気持ちが離れてくれなくて、俯いてしまう。 私なんかで、本当に佐藤はいいんだろうか? 佐藤の未来を汚してしまったり、しないだろうか。 「アンタは自信がなさすぎる。私はあんたが可愛いから言うけど、自分の気持ちを認めてあげられないような和香は、私は嫌だよ」 「……っ」 「私は和香が可愛いの。私の可愛い和香をいじめないでちょうだい」 厳しい言葉とは裏腹に、柔らかく頭を撫でてくれる手。 「感情を人と比べない、人の気持ちを勝手に疑わない、自分を否定しない」 そのまま抱え込まれる頭が、緑の胸の中で抱きしめられる。 「和香の本当の気持ちは、どこにあるの?」 抱きしめられた緑の腕の中、服の背中をきゅっと引かれる感触がする。 見えていないのに、その縋るような顔が目に浮かんで、緑の中でクスリと笑ってしまう。
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