三章 2

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そう返された鞠は大喜びしているけれど、待ってそれ前にお遊びでホームページ見に行った時五千円とか書いてあったやつ……。 どこまでも容赦のない二人に顔を引きつらせながら、私は佐藤に連れ去られていった。 佐藤、その時は私も半分出すからね。 私は佐藤に手を引かれ、カラオケのビルを出る。 家に帰る方向を辿ると、何を思ったのか途中にある公園の前で足を止める佐藤。 そこは、佐藤に初めて男だと暴露された時の、あの公園。 「……あの日の俺、すーごい酔ってたフリしてたけど」 「………………え、あれフリだったの?」 「今日はシラフだから。なんも言い訳出来ないから」 キュッと、優しく手が引かれる。 「和香も、もう逃がさないからね」 手を引かれて足を踏み入れるのは、あの時フラフラとした足取りでギャルの佐藤が入って行った公園。 あの時と違う男の姿で、緊張した面持ちの佐藤氷に促されて、私たちは二人並んでベンチに座る。 夕日の射し込む、オレンジ色の公園の中、私は心にひとつの決心を抱えて、彼の瞳をじっと見詰めた。
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