三章 3

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「俺の友達として蜜に紹介したって、絶対に裏切らないとは限らない、わかってる。俺と蜜は別の人間だから、わかってる」 「うん」 「それでも、俺が出来ることなんて、そんなことしか思いつかなかったんだ」 ねぇ、佐藤。 佐藤がそんなに悩んで悩んで、行動にまで移してくれたこと。 蜜ちゃんは今眠っているままで、そんなこと知りもしていないだろうけれど。 きっとそんな佐藤の作戦が失敗していたとしても、佐藤氷がいるだけでも、蜜ちゃんは報われるんじゃないかな。 一番近い人が、一番自分の為にって頑張ってくれてたんだから。 「きっと、大丈夫だよ、佐藤」 私は佐藤の握られた拳の上に、手を乗せる。 そんなことじゃ、慰めになんてならなくても。 それでも、佐藤の不安に思っている気持ちが、少しでも軽くなればいい。 全部は無理でも、半分は私も支えたい。 「誰よりも蜜ちゃんを想ってくれている佐藤がいるだけで……それだけでも十分だと思う、し。私だったら、嬉しいと、思う」 慰めの言葉なんて、知らない。 へたくそだ、人の気持ちに寄り添うなんて高等テクニック、私なんかが持ち合わせているはずがない。 それでも、伝えたい気持ちがある。 伝わって欲しい、想いがある。
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