一章 2

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一章 2

目が覚めた時、窓の外に見える空は茜色に染まっていた。 窓の、外……? 「授業……」 現状が把握できないけれど、一つだけわかることがある。 授業前に起こされることなく、夕方になってしまっていたということ。 「あー、のど起きたぁ!!」 その聴き慣れた大きな声に、体がビクッとなる。 鞠……鞠の声だ、びっくりした。 「アンタ、寝起きにいきなり大きな声聞いたらびっくりするでしょうが」 「ごめんのど~、起きて一番にマリが見つけたのが嬉しくってぇ」 「ガキか」 見渡すと白い天井に白いカーテン……医務室の中、か? 「……佐藤、は?」 けれど、寝落ちる直前まで見かけていた佐藤の姿は、そこになかった。 「佐藤?教員棟行くとか言って入れ違いに出てったけど」 「それまではここにいたってこと?」 「和香、佐藤にここに連れてこられたんじゃないの?」 連れて、来られたんだっけ……? 眠りに付く直前、確かに私は池の前のベンチに寝転んでいたはずで。 そのままずっと寝ている予定ではなかった。 ひとまず起き上がって医務室を三人で出てから、校内にあるファーストフード店で佐藤を待つことにした。
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