一章 2

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「医務室には、佐藤の肩に担がれた和香が連れてこられたって、先生に聞いたけど。和香そんなに軽かったっけ?」 何気なく気になっただろう、その緑の疑問にすらも、一瞬ぎくりとしてしまう。 いや、私がそんなに気を遣う必要もないはずなんだけれど……全く、佐藤のせいで変に気を使ってしまいそうになるじゃないの。 恐らく、それは男女の筋力差によって、見た目と違って佐藤自身が力強いおかげで、私くらい運べてしまったんだろう。 というか肩に担ぐって、私は荷物か。 「……私軽いっけ」 「アンタ何キロ?」 「……42」 「それは軽いわ」 買ったシェイクをジュコーっと吸い込み、佐藤の体型を思い出す。 男を基準とすると少し低めの背は、160センチもない私より10センチ程高い。 ヒールや厚底の靴を履いていたと思うから、実際には5センチ前後しか違わないのかもしれないけれど、それでも小さいんじゃないだろうか。 佐藤に言ったら怒られるかな。 中性的な顔をしているし、よく見たら可愛い顔をしているかもしれない。 「のど、まだ眠い?」 首を傾げて心配してくれる鞠に、私は「少しね」と答えると、スマホのバイブ音が長めに鳴り響く。 「佐藤?」 「うん」
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