一章 1

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ぎゅうっと抱き着かれ、混乱する頭の中でも、これはどっちだ?と考えることをやめない。 本当か?嘘か?どれが嘘だ?どっちが本当だ? 『和香には、知っててほしくなった。そんだけ。あーしもいつも通りでいるから、和香もだよ?離れてっちゃうのはナシね』 そう言って、頬に軽くキスをされた記憶まではあるけれど、その後どうやって帰ったのかは覚えていない。 ぐるんぐるん回る、昨日の記憶。 夜の11時、公園にギャル……だと思っていた人と二人。 というか、なんで二回もキスされてるんだ。 え、じゃあなに、ギャル男?チャラ男?ってこと?? 結局、すんなりと受け入れることなんて出来なくて、それでも本当に男だったとしたら今の関係はこれからどうなっていくんだろうと不安にもなって、他の二人は知らないのだろうか、とたくさん考えて。 そうしているうちに、朝日とご対面していた。 睡眠が大好きな私が、まさかちゃらんぽらん代表の佐藤のことでこんなに悩む日が来るなんてこと、想像したこともなかった。 私の睡眠を邪魔した佐藤のことなんて、許すまじ。 午後の講義前に三人と別れて、校内の池の見えるベンチに座り、またうとうととする。
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