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見知らぬ少女と逃避行!?
大きな音と共に、車は道路に真っ黒な跡をつけながらガードレールにぶつかって止まった。
プスプスとゴムのこげるような臭いに唖然としていると、突然車の後部ドアが大きく開いて少女が飛び出してくる。
真っすぐ俺に向かって走ってきた少女は開口一番叫んだ。
「逃げて!!」
俺の後ろにまたがった少女めがけて、黒セダンから出てきた男たちが容赦なく発砲する。
「嘘だろ!?」
「早く逃げて! 死にたいの?」
少女に怒鳴られて俺は原付のスロットルをフルでひねった。
何が起こっているのかは分からない。
しかし今撃たれている銃が本物なのは分った。
弾の当たったサイドミラーは粉々に砕けて後方へとキラキラ光りながら零れ落ちていく。
俺はゴクリとつばを飲み、狙いをつけられないように原付を蛇行させながら、県道を無我夢中で駆け抜けた。
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