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敵襲
彼女は家にあったなけなしの食料を俺のボストンバッグに詰め込み始めた。
「何でこんなことに……」
文句をいいながらも荷造りをしていた俺に、「シッ!」と彼女が警告する。
大きなエンジン音がアパートの下で止まった。
「玄関は使えないわね」
彼女は室内で靴を履き、窓を開けた。
「ここ、2階だぞ?」
俺も慌てて靴を履き、荷物を背負う。
慣れた手つきで結び目を作ったタオルケットを下に垂らすと、彼女はベランダのてすりに飛び乗り、隣の部屋へと逃げ込んだ。
「急いで!」
小声でせかされ、おっかなびっくり手すりに登る。彼女に引っ張られるようにして隣室のベランダへ不法侵入した瞬間、「バキバキバキッ」っと尋常じゃない音がした。
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