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別れの時
俺の想いを感じとり、リオはちゃんと伝えてくれる。
「さようなら風間さん。お元気で」
さらに遠くなる声が必死に呼び掛けてくる。
「兄さんか? おい、今の兄さんじゃろうが!?」
リオの体がクルリと反転するのを感じた。
冷たい水の中に入ると足の感覚は失せ、次第に尾びれがグイグイと水を掻き、深く冷たい海底へと向かっていくのが分かった。
不思議と怖くはなかった。
リオの甘い香りに酔いしれながら俺は、幸せな気分に浸っていた。
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